★金融コラムA

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では前回の続きです。

2.ユーロ圏も金利上昇か。
ユーロは大雑把に言うとここ6ヶ月125〜140円のレンジで動いており、一日の乱高下もドルに比べると激しい(ユーロが主要通貨になりきれていない一要因か?)。ユーロに関しては欧州の一部国での景気回復や欧州中銀等の景気楽観論から、ここも金利は上昇局面にあると思われる(ただインフレ観測とまでは言えない)。英も不動産価格の値上がりから金利上昇観測強い。

3.短期金利も上昇?
日本では長期金利の上昇に伴い、引っ張られる形で短期市場の金利も上昇する可能性がある。コール市場は日銀の供給政策に変更がなければおそらくそう大きな影響は受けないだろう(勝手な見方ですが・・)。ただFB入札には影響してくるかもしれない。FBは政府が予算の短期資金繰りや為替介入の資金を調達するために発行する。もし今後、この金利が上昇した局面で円高が進むと、最悪のケースなら、
1-財務省為替介入の必要性→2-FBでの資金調達の必要性(予算枠は現状十分ですけど)
→3-FBの消化不良→4-市場心理の動揺・政府の長短国債での支払負担増
→5-財政悪化(ここまで来ると中期的ですが)→6-財政緊縮・消費税増税→7-景気後退
なんてことも考えられなくもない(^0^)。
しかし金利の上昇は景気回復局面では自然な出来事であり、欧米の要人・投資家の中には金利上昇を「経済の強さの表れ」としてプラスに考える人もいるので、悲観することはないと思われる。
ただ現実問題、恐らく段階4までは起こると思います。でもそこでどういう手を打ってくるかは金融当局・日銀の腕の見せ所でしょう。たぶん手形オペでも口先介入でも他の手段はまだいくつかあるでしょう(大差ないような気もしますけど)。
そもそもここまで財政状態が悪化してくると、打てる手段が無くなってくるんですよね。まあこの話は政治経済学も絡んでくるので、政治経済学の話は次回取り上げます。

4.中国も利上げ観測
最近は中国の動きも為替相場の動きを左右します。ここ数ヶ月はかなり沈静化しているようなのですが、中国も経済がバブル気味で利上げ観測(予想は7月らしい)が浮上するたびに、市場は株安・円安へと動くようになっています。

5.展望(勝手な予想)
じゃあ今後相場はどうなるのか?たぶん短期的にはドル高円安でしょう。理由は1.アメリカの金利が少しずつ上がっていてそのインパクトの方が勝ちそう。また米の株価上昇や景気回復について懸念が少ない。2.米の大統領選が近く、秋まで経済的にアメの政策が採られる可能性が高い。3.円高になったとしても日本当局の介入姿勢は105円近辺を壁に非常に強い為、投機筋も円の持高を増やすのにさすがに慎重なのでは?、というのが理由。
ただアンチテーゼもあって、1.米の中東でのテロのリスク(原油価格も含めたリスク)。2.日本の株価が堅調である事。3.以前当局の介入で止めていた円高圧力は本当にもう消化しきれたのか?4.米の金利上昇はすでに市場ではある程度折込済みである事、などがこの予想の難点。
まあ参考にされて下さい。

次回は政治経済学の話をします。

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This essay is update on Jun.19,2004
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